茶道との縁は、今から約二十年前、九谷焼きのお仕事をしている友人に誘われ、能美市にお住まいの裏千家の先生に習ったのが始まりでした。
仕事柄、お茶の世界は必要なことと思っていたので、すごく楽しい思いでわくわくしながら稽古に出かけたことを思い出します。その先生曰く「あなた達は男性やから、お免状ありきでなく、茶の世界を通じていろんな角度から物事を見る力を養いなさい」と言われました。
確かに、お茶の世界は、お道具はもちろん、お花、季節、菓子、掛け軸、そしてお料理と非常に多くのことを学ぶことができます。そして、様々なことに興味を持つと持たないとでは、日々の目線や生き方も違ってくるのかなと感じます。
毎年、淡交会裏千家の初茶会や研究会を承り、いろんな勉強をさせていただいております。初茶会には南加賀一円より三百名様以上のご来場があり、それは華やかな一日となります。
季節は、十一月を迎えますと、茶事では風炉から炉へとかわって参ります。蟹の解禁も間近に迫り、北陸の冬が一日一日と近づいてきます。
平成25年 神無月 坂井 浩明