結婚式について相談したい、というお客様のお話を伺わせていただきました。来年の4月~6月あたりでご検討中のことと。お二人の間では、海外で挙式のあと、地元で友人関係の二次会をしようと考えられていました。
ご両家の親御さんに相談したところ、海外挙式は反対でなかったものの、家族及び親戚の方を招いての披露宴だけはすべき、と言われたそう。
親御さんが主張されることは、ごく当然のことと思われますが、現実としてご親戚への披露を省かれるカップルもあるのは事実。
おそらく、結婚を考えるお二人は、この世に生を享けてから、ご両親はもとより、ご親戚の皆様からも折に触れて様々な愛情を受けてきたはず。これから、いよいよ結婚、そして新しい人生をスタートするにあたって、これまで見守り育んでもらった方々に、結婚の披露をするのは大切なこと。
そういう意味では、このお二人の親御さんは極めて、常識のある方々であると同時に、それを素直に受け入れ、納得されてお越し頂いたお客さまも大変良識ある方なのです。
近年、「結婚」そのものに親御さんが係わらなくなってきました。その原因の一つに、終身雇用制の概念が崩れ、ご来賓がいない披露宴が当たり前になったこと。それにより、親御さんの責任感が薄らいできたのではと考えます。
さらに、家と家の結びつきの大切さや、婚礼にまつわる先人達が伝えてきた儀礼や慣習を、お二人に説明し紹介しない式場が多く、担当者とお二人だけで結婚式・披露宴の段取りを進める会場が多くなったせいかもしれません。
はたして、それが本来の姿なのでしょうか。
結婚式にまつわる様々な儀礼や慣習を行うこと、また披露宴の内容にも親御さんがもっと関心を持ってアドバイスをしてあげることで、なによりご両家の『絆と理解』が深まっていくのです。
そして、そのことが新しくスタートする二人にとって、最強のサポーターになってくれるずなのです。両家のご両親が互いを理解し尊重しあう絆が深ければ、お二人が困難な時にきっと協力し合って手助けしてくれるはずです。末永く二人が共に人生を歩んでいただくために。さらに、両家の絆を強くするために、もっともっと親御さんにも結婚式や披露宴にかまっていただきましょう。
そうすることで、必ずや、お招きしたゲストの心に響くものになると確信します。
素敵で思い出に残る、そして心が温まる時間を感じていただくために。
平成25年9月 坂井 浩明