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石川の婚礼

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彩り豊かな石川で芽吹いた婚礼の形

加賀友禅の色合いも鮮やかな花嫁のれんや「日・月・山・海・里」の恵みを表した五色生菓子など、石川の婚礼は、この地ならではの文化が花を添えて寿ぎの気持ちを映し出します。
一口に石川と言っても、加賀、能登、金沢という地域ごとの違いもあり、それが文化の豊かさの礎ともなっています。結婚式・披露宴のスタイル自体は多様になったとはいえ、その土地その土地の味わいが薄らいでいくなか、全国的に見れば画一化の傾向にあります。旅に出ても見なれた光景が広がっていればつまらなく感じるように、風土が息づいていない地域は、ちょっぴり味気ないものです。
細長い能登半島は、海に囲まれ、山から平野へと時には険しく、時にはなだらかに連続線を描き、傾斜に沿って流れる幾筋もの川もまた、流域に恵みをもたらします。古くからの営みに加え、金沢では尾張の流れを組む文化が芽吹き、能登では大陸からの文化が流れ込んできて地域のことばや祭りに溶け込んでいます。こうしたバラエティー豊かな要素が融合され、培われてきたのが石川の文化であり、人生の大きな節目である婚礼にそのエッセンスが集約されているとも言えましょう。

豪華なもてなしに込められた思い

婚礼には、さまざまな世代や層の人たちが集います。新たに縁を結ぶことになった人々が一堂に会する場では、お酒や料理はコミュニケーションをとる手段としても欠かせないものです。特に、昔ながらの石川の婚礼においては、料理が演出そのものであったとも言えます。

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加賀百万石では、料理の膳を変えて、昼夜を通して祝言が行われたと言います。
午前中に婚礼道具が嫁ぎ先へと運び込まれ、黄昏どきになると燭台にろうそくを灯し、両家の人々が見守るなか、新郎と新婦が三三九度の契りを交わします。そして、料理を中心とした宴が始まるのです。
八松苑の先代が戦前に再現した加賀の婚礼料理の献立を見てみると、少なくとも四、五時間を宴に費やしたことが分かります。地元でとれる海の幸、山の幸、野の幸をふんだんに盛り込み、もてなすことこそが、主催する側の心意気でもあり、新郎の側は、娘を送り出す親御さんへの最大限の敬意と感謝を込めて、料理を準備したのです。

原点を見つめ現代の婚礼へ

美的にも味覚的にも十分なもてなしをもってふたりの門出を祝い、両家の繁栄を祈った、当時の祝言。八松苑の坂井浩明社長は、本来、結婚式というものはそういうふうにあるべきだと考えています。
「招待される側に県外の人が多いのであれば、北陸ならではの料理や文化を味わってもらうのがよいのではないでしょうか。地元の方が多いのであれば、ふだん食しているものではあるけれど新しい発見があるようなものをお届けしたいと思います」
もちろん、料理を引き立てる器ひとつをとっても、石川県には輪島塗や九谷焼をはじめとする伝統工芸が息づいています。和のテイストを加えた、そうした演出も、現代に生きる人々にとってはかえって新鮮に感じられるものかもしれません。
先代が再現した婚礼の献立は、八寸膳に始まり、会席膳の一之重、二之重、三之重が続き、さらに本膳がつながります。持ち帰り用のお土産として渡した引出物(中蓋、小蓋)を含め、どのような演出にも勝る品々が、寿ぎの名とともに連なっています。
先人たちが築いてきた風土文化、地域にあるものを大事にしていくことは、八松苑の創業以来変わらぬ姿勢です。坂井社長は「北陸にはこういうおいしいものがあるということが宴席の話題にあがることで地域の豊かさ、もてなしをつぶさに感じることができる。そんな北陸の婚礼を見直してみることが大切なことだと思います」と語り、現代ならではの新たな婚礼の形を追求しています。
(ファーボ2008年2月号掲載)

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